日本政策金融公庫の「新規開業資金」について

既に新創業融資制度(https://abm-office.biz/20210620_sogyoyushi/)については説明させていただきましたが、日本政策金融公庫にはそれ以外にも創業関連の融資制度があります。

本日は、最も古い?創業関連制度である「新規開業資金」について説明させていただきます。

「新規開業資金」とは、新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方を対象としています。

融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)、設備資金:20年以内(2年以内)、運転資金: 7年以内(2年以内)となっています。

詳細は以下の通りです。


<新規開業資金>

 

内容

対象者

新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方

資金使途

新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金及び運転資金

融資限度額

7,200万円(うち運転資金4,800万円)

返済期間

設備資金20年以内 <うち据置期間2年以内>

運転資金7年以内 <うち据置期間2年以内>

利率(年)

・基準利率

ただし、以下の要件に該当する方が必要とする資金は特別利率。なお、ご融資後に利益率や雇用に関する一定の目標を達成した場合に利率を0.2%引下げる「創業後目標達成型金利」については、こちらをご覧ください。

1.地域おこし協力隊の任期を終了した方であって、地域おこし協力隊として活動した地域において新たに事業を始める方

2.Uターン等により地方で新たに事業を始める方

3.産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援等事業を受けて新たに事業を始める方

4.地域創業促進支援事業又は潜在的創業者掘り起こし事業の認定創業スクールによる支援を受けて新たに事業を始める方

5.外国人起業活動促進事業における特定外国人起業家の方で新たに事業を始める方

6.独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資する投資事業有限責任組合から出資(転換社債、新株引受権付社債、新株予約権および新株予約権付社債等を含む。)を受けた方

[特別利率A](15の土地取得資金は基準利率)

7.技術・ノウハウ等に新規性がみられる方

[特別利率A・B・C] (土地取得資金は基準利率)

8.地方創生推進交付金を活用した起業支援金の交付決定を受けて新たに事業を始める方

[特別利率B](土地取得資金は基準利率)

9.地方創生推進交付金を活用した起業支援金及び移住支援金の両方の交付決定を受けて新たに事業を始める方

[特別利率C](土地取得資金は基準利率)

保証人・担保

お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます。

融資条件など

・「利率(年)」の1に該当する方につきましては、ご融資後、次のことをお約束いただくことで、特別利率でのご融資となります。「地域おこし協力隊として活動した地域において、活動終了後1年以内に新規開業すること」

・上記お約束に違反したことが判明した場合、利率を基準利率に引上げさせていただきます。

・出典:https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html

新規開業資金は、基本的には無担保・無保証人制度ではありませんので、新創業融資制度と比較すると利率は低く抑えることができます。

また利率には数多くの「特別利率」が用意されており、上記を見て頂けると分かる通り、現時点(令和31129日)においては、全部で9の利率体系が用意されています。

これらのいずれかに該当するのであれば、低利率で融資を受けることができます。

たとえば、新創業融資制度の「基準金利」は2.362.85%ですが、「特別利率C」(担保不要の場合)は1.161.65%となっています(令和3111日現在)。

低利率はとても有難いですね。


最も重要なのは、事業計画です。

日本政策金融公庫のホームページには「新たに営もうとする事業について、適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると認められる方」に限ると記載されています。

当然、創業計画書を作成します。それをベースに審査が進みます。

なお、技術・ノウハウ等に新規性がみられる方等のうち、一定の要件を満たす方は「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」の利用も可能な場合があります。

本制度は、期限一括返済(利息は毎月払)で、融資後1年ごとに、直近決算の業績に応じた利率が適用されます。

しかしながら相当、審査のハードルは高いです!

また、【東日本大震災の影響により離職して創業する方や避難指示・解除区域が所在した市町村内において創業する方には、東日本大震災関連の新規開業資金制度が用意されています。

この制度は、利率が優遇されています。

新規開業資金については、「色々と制約が多いなあ~」と思われた方も多いのではないでしょうか。

十分に検討をして、利用する創業融資制度を決定してくださいね。

行政書士横浜中央合同あべ事務所では、「創業融資」の相談を受けておりますので、いつでもご相談ください。

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