今回は、日本政策金融公庫(国民生活事業)の「連帯保証人・担保」及び「利率」について説明いたします。
創業融資の相談に乗っていますと、「連帯保証人って必要か?」「担保がない」「金利はどれくらい?」ということをよく聞かれます。
確かに気になりますよね。
先ずは「連帯保証人、担保」についてですが、日本公庫の創業融資制度の該当箇所を一覧にしてみました。
<創業融資制度の連帯保証人、担保について> 令和3年10月現在
制度 |
担保・保証人 |
新規開業資金 |
|
女性、若者/シニア起業家支援資金 |
お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます。 |
再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資) |
お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます。 |
中小企業経営力強化資金 |
お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます。 |
新創業融資制度 |
原則不要(※) |
(※)新創業融資は、原則、無担保無保証人の融資制度であり、代表者個人には責任が及ばないものとなっていますが、法人の場合は、代表者が連帯保証人となることも可能であり、その場合は利率が0.1%低減されます。
一覧を見てくださると分かると思いますが、人気のある「新創業融資制度」は、原則不要です。他の創業融資制度については「応相談」となっています。他の創業融資の制度も、新創業融資制度の要件に合致すれば、無保証人で利用することが可能となっています。とても有難いですよね。
担保については、前々々回(9月30日投稿)の投稿で、「日本公庫は、全体の9割以上が無担保融資となっている」と説明いたしました。つまり、原則として、無担保融資が中心だということです。実際に、日本公庫は「担保があれば融資を受けることができる」というわけでもありありません。たとえ担保があっても、担保評価や事業計画など、総合的な判断で謝絶されることも有り得ます。
まとめますと、ほとんどが無担保融資であり、連帯保証人についても、新創業融資制度の要件に合致すれば無保証人で借りることができます。
次に「利率」についてですが、実は、私もいきなりこの質問をされても、回答できません。日本公庫の利率体系は細かいので、その都度確認してお知らせするようにしています。
日本公庫の利率は以下のように分類されています。
<利率の分類>(令和3年10月1日現在)
1.担保を不要とする融資を希望される方
2.新創業融資制度(無担保・無保証人)を希望される方(税務申告を2期終えていない方)
3.担保を提供する融資を希望される方(1~2より低い金利となります)
4.災害貸付、東日本大震災復興特別貸付(震災セーフティネット関連を除く)、令和元年台風第19号等特別貸付(その他被害者を除く)、新型コロナウイルス感染症特別貸付、令和2年7月豪雨特別貸付(その他被害者を除く)をご利用される方
5.経営者の保証を不要とする融資(「経営者保証免除特例制度」など)を希望される方
6.マル経融資(小規模事業者経営改善資金)、生活衛生改善貸付を希望される方
その他
それぞれ、「基準利率」と多数の「特別利率」が決められていますので、日本公庫の職員であっても全てを覚えておくのは不可能だと思います。一度、以下の日本公庫のHPで確認してみてください。
・国民生活事業(主要利率一覧表):https://www.jfc.go.jp/n/rate/index.html
たとえば、「1.担保を不要とする融資を希望される方」の基準利率は「2.06~2.55%」、特別利率Aは「1.66~2.15%」です(令和3年10月1日現在)。
ちなみに特別利率は、全部で12もあります。
「2.新創業融資制度(無担保・無保証人)を希望される方」の基準利率は「2.36~2.85%」、特別利率Aは「1.96~2.45%」です(令和3年10月1日現在)。
ちなみに特別利率は、全部で8あります。
「1」と比べると無保証人ですから、やや高めになりますね。
なお、随時、この利率は変更されていますので、必要に応じて日本公庫のHPにて確認するようにしてください。
行政書士横浜中央合同あべ事務所では、「創業融資」の相談を受けておりますので、いつでもご相談ください。
創業融資、資金調達に関するご相談をお受けしております。
・電話 045-435-9410(平日9~18時)
・メールフォーム:24時間
・担当:阿部(行政書士・経営革新等支援機関)