2021年6月30日付、タンス預金、見せ金は自己資金といえるのか?自己資金の定義を解説した記事です。

自己資金について

前回のブログでご説明した通り、日本政策金融公庫の無担保・無保証人である「新創業融資制度」には、「創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方」という要件がありましたね。

それでは、皆さん、「自己資金の定義」ってご存じでしょうか?

実際のところ、自己資金の定義について理解している方は少ないと思われます。

金融機関さんに「自己資金あります」といえば、それでOKというわけはありません。

証拠を見せないといけません。

「これが私の自己資金です」と客観的に分かるように金融機関に示す必要があります。

最も分かりやすいのは、「預金通帳」を見せることです。

「勤務していた会社から毎月、給与が振り込まれて、コツコツと貯めてきている様子が分かる」というのがベストです。

定義をするならば「預金通帳で確認できるコツコツ貯めてきた現金資金」ということになります。(なお、この定義については、私が経験に基づいて勝手に言っているだけですので、ご了承ください!)


これまでに多くの創業融資の相談を受けていますが、この自己資金について曖昧な方が少なくありません。


たとえば

・一時的に親から200万円を借りることができます。

・保険や投資信託があります。

・タンス預金100万円があります。

など、これらは100%確実な自己資金とは言い難いです。

1,見せ金について

まず、「一時的に親から200万円を借りることができます」についてです。

いわゆる“見せ金”というものです。

見せ金が自己資金になると勘違いされている方も少なくありません。

今から20年くらい前は、見せ金でも自己資金として審査が通ることもあったようですが、現在は、とても厳しいです。


たとえば、突然、通帳に200万円が振り込まれていたら、金融機関からは当然のように突っ込まれます。

「この200万円はどこから振り込んだのですか?元の通帳も確認させてください」と言われます。

細かい担当者の場合は、“出所”が判明するまで何度も突っ込んできます。

こうなったら回答のしようがありません。

2,保険・投資信託について

次に「保険や投資信託があります」についてです。

確かに、保険や投資信託などは、働いた給与などからコツコツとやってきたことですので、自己資金のように思えます。

たとえば投資信託の一部を解約して、銀行口座などに「現金預金」として証明することができて、それを自己資金に供するために準備したのであればOKです。

しかしながら、「保険証券」等を見せて「これが自己資金だ」と言われても、それは単なる“紙”であって、“現金”ではありませんよね。

事業に使用されるかどうか分からない資金や使用される予定のない資金は、原則として自己資金として認められにくいのです。

3,タンス預金について

最後に「タンス預金100万円があります」についてです。

これは原則として、ほぼ、自己資金としては認められません。

自己資金が用意できていない方の多くは、「タンス預金があります」と言います。

しかしながら、これを認めてしまうと“何でもあり状態”になります。

金融機関としては認めません!



しかしながら、もし万が一、本当にタンス預金がある場合はどうすればよいのか?!



回答は簡単です。

「タンス預金あることを証明」すればよいのです。

しかしながら、タンス預金を「100%間違いなく毎月給与からタンス預金したものである」と証明するのは至難の業です。



恐らく、どのように説明をしても、基本的には信じてもらえないと思った方がよいでしょう。

もし、本当にタンス預金として資金を貯めている方がいましたが、直ぐに銀行口座に移してください。

最低でも半年くらいは口座から動かさないようにして下さい。

そのようにして、証明するしかありません。



それでも「このまとまったお金は何ですか?」と指摘されることでしょう!!

なお、毎月の家計収支から証明する方法もありますが、これはとても高度なテクニックになりますので、個別にご相談ください。

どちらにしろ、「タンス預金は自己資金として認められない」というのが大原則です。

このように自己資金については曖昧な点が相当あります。

もし、不安な場合は素人判断をせず、専門家に相談することをお勧めします。

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